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マカオ、中国返還から12周年 カジノ景気背景に経済成長

マカオは20日、ポルトガルから中国への主権返還から12年を迎えた。同日朝から行われた一連の記念行事の中で、同政府トップの崔世安・行政長官は「マカオ経済は安定成長しており、財政の基礎も強固だ」と強調。主力のカジノ産業の空前の好況を背景にした経済・財政の安定ぶりを誇示した。その一方で、経済のカジノ依存度の高さやインフレの克服といった課題にも直面している。

 今年は節目の年ではないことから、政府主催の公式行事では特に派手な演出はなかった。昼間の街中も普段とさほど変わらない様子だった。

 そのなかで崔長官は、国旗掲揚式典の後に開かれたレセプションで「国際経済情勢はさらに複雑で変化が激しくなっているが、安定している時に準備を怠らず、努力をすれば、様々な挑戦に対応できると信じている」と語り、欧州債務危機や中国の景気減速などマカオへの影響が大きい世界経済の変化への対応にも自信をのぞかせた。

 米ラスベガスを抜き世界一の「カジノ都市」となったマカオは、2011年7~9月期まで8四半期連続で域内総生産(GDP)が前年同期比2桁成長を続けている。主に中国本土からの観光客がそれを支えている。それが故に、中国景気の変調がカジノ需要にマイナスの影響を及ぼす可能性が指摘されているほか、高成長の持続によるインフレも顕在化。10月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は6.71%と3年ぶりの高水準となっている。

【2011年12月20日 日本経済新聞】



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